キレのあるカーテン

物件を見ていくうちに希望条件そのものが変わってしまうこともあります。
ここでつくったリストは、家探しの初期段階で、物件を見る目を養うためのトレーニング方法の一つと考えてください。 また、リストをつくる過程で家族全員の希望条件を確認できるというメリットもあるのです。
希望条件リストの見本を掲載しました。 コピーを取ってそのまま利用されても結構ですし、これを参考に自分なりのリストをつくってみても、希望条件に近いのはどれかが客観的に判断できます。
希望条件が整理できたら、実際の家探しに移るわけですが、その前にするべきことがあります。 自分にはいくらぐらいの家が買えるか、つまり予算の目安をあらかじめつけておくことです。

家を買うときに、手持ちの現金でボンと買えてしまう人は多くはないでしょう。 ほとんどの人は住宅ローンを借り入れることになるはずです。
とはいえ、借金だけで家を買うわけにもいきません。 土地や住宅の価格が右肩上がりで上昇していたバブル期であれば、価格の全額(あるいはそれ以上)を貸してくれる銀行も少なくなかったようです。
万が一返済が滞っても、担保となる土地や住宅を売り払えば、貸したお金を取り戻して、さらにお釣りがくるという皮算用が成り立っていたからです。 ところがバブル崩壊後は価格が上がるどころか、時間が経つにつれて値下がりしてしまうという事態になりました。
これでは価格ぎりぎりまでお金を貸すと、途中で返済が滞ったときに貸したお金を回収できないというリスクが生じてしまいます。 そこで、銀行は住宅ローンを貸し出すときに、購入価格の一定割合を融資額の上限に設定しているわけです。
ですから購入価格のうち、いくらかは自分のお金、つまり自己資金(頭金ともいいます)でまかなわなければなりません。 購入予算は頭金と住宅ローン借入額との合計額ということになります。
では、頭金はどのくらいあればいいでしょうか。 銀行など住宅ローンを扱う金融機関では、融資限度額を「価格の八割まで」としているケースがほとんどです。
たとえば三五○○万円の住宅を買う場合は三五○○万円×八○%〜二八○○万円までなら貸してくれるという計算です。 残りの二割、つまり三五○○万円×二○%〜七○○万円については、頭金として自分で用意しなければなりません。
この「頭金は二割」という原則を使って手持ちのは住宅ローンではまかなえないのが原則なので、頭金と同様、現金で用意しなければなりません(さらに引っ越し料金などもかかります)。 つまり、手元にあるのが頭金分の二割だけでは足りないのです。

住宅価格が高いために、この諸費用もかなりの金額にのぼります。 具体的な目安としては、新築住宅を買う場合で価格の三%前後、中古住宅を買う場合で六〜一○%ぐらいと考えてください。
新築より中古のほうが額が大きいのは、仲介手数料が上乗せされるなどの理由からです。 新築でも仲介手数料がかかる場合は、やはり六?一○%程度の諸費用がかかります。
この諸費用分もあわせて、もう一度購入予算を計算してみましょう。 先ほどと同様、手持ち資金が六○○万円で新築マンションを買う場合の予算の目安は、六○○万円・一・一二○%(○・二、頭金分)+三%(○・○三、諸費用分)二六○○万円となります。
予算がだいぶ下がってしまいました。 頭金から逆算すれば、どのくらいの額のマイホームが買えるかがわかります。
仮に手持ち資金が六○○万円だとすると六○○万円・一・二○%(○・二)三○○○万円がおおよその目安になります。 むろん、「頭金は二割」というのはあくまで原則で、「二割でなければならない」ということではありませんが、頭金が二割より多いほうが住宅ローンの借入額が減り、返済の負担が軽くなるので望ましいでしょう。
住宅ローンの種類によっては頭金が二割未満でも貸してくれるケースもあります。 ただし、借入額が増えれば返済がそれだけたいへんになってしまいます。
よほど収入に余裕がないかぎり、頭金は価格の二割以上用意することを心がけましょう。 あとの章で詳しく述べますが、住宅を買ったり建てたりする場合、購入(工事)代金以外に税金や手数料などの「諸費用」がかかります。
この諸費用分前項のように、頭金が多ければそれだけ予算も多くなるので、希望の住宅とめぐり合う可能性も広がるはずです。 なるべく多くの頭金を用意することを考えてください。

とはいえ、手持ちの資金にはおのずと限界があります。 なかにはコツコツと一○○○万円以上貯めたという強者もいるでしょうが、夫婦合わせて五○○万円にも満たないというケースも少なくないでしょう。
しかし、五○○万円ではかなり厳しいことは前項からも理解できると思います。 仮に五○○万円すべてを頭金と諸費用にあてたとしても、予算の目安は二一○○万円強にすぎません。
この予算で新築マンションというと、かなりきびしいのが現実でしょう。 そこで家を探し始める前に(探しながらでもいいのですが)、まず金策からスタートしましょう。
頼るべき人はズバリ、親です。 いまさら親のスネをかじるのも気恥ずかしいかもしれませんが、そうも言ってはいられません。
親が経済的に余裕があれば、ぜひ協力を頼んでみましょう。 なにより、家を買う資金を親から援助してもらうと、贈与税が大幅に軽くなるという制度があるのです。
これを活用しない手はありません。 相手が親であっても他人であっても、お金や財産をもらうと贈与税の対象になります。
年間六○万円までは非課税ですが、それを超えると贈与税が課せられるのです。 ところが、親からの住宅資金の援助だけは三○○万円まで課税されず、三○○万円を超えても通常よりかなり税額が軽くなります。
この制度を「住宅取得資金の贈与の特例」といいます。 さらにこの特例は、夫と妻のそれぞれの親からの贈与に対して別々に適用できます。

夫の親から三○○万円、妻の親から三○○万円、合わせて六○○万円もらっても税金がかからないのです。 頭金を一気に一○○○万円の大台に乗せることも夢ではないでしょう。
ただし、妻の親からの贈与分は妻の名義に入れないと贈与税がかかるので注意してください。 なお、この特例を受けるためには贈与を受けた翌年の三月一五日までに税務署に申告しなければなりません。
さらに申告期限までに買った家に入居していることが原則です。 工事の都合などで入居が遅れる場合でも所定の書類を提出すれば申告できることもあるので、税務署に相談してみてください。
頭金もローンも多ければ多いほど高い家が買えるわけですが、このうちローンの借入金を左右するのが年収です。 年収が多ければローンの返済能力が高いと見なされ、金融機関としてもお金を貸しやすくなります。
ですから、買う家の予算を立てるのに自分の年収を目安にする方法もあります。 そのときに、よく引き合いに出されるのが「年収五倍論」です。
要するに、自分の年収の五倍ぐらいの家なら、さほど無理しなくても買えるというぐらいの意味です。 では、この年収五倍論にどれだけの根拠があるかというと、はなはだ心もとなくなってしまいます。
仮に年収五○○万円の人が三○○○万円の住宅ローンを三○年返済で借りるとしましょう。 金利が三%だとすると、毎月返済額は一二万六四八○円ほど。

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